ベネトリンの概要と特徴

今回紹介する「ベネトリン」は気管支を拡張する薬で、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療に使われる吸入薬(外用薬)です。

気管支が炎症によって狭窄するのが「気管支喘息」で喫煙(受動喫煙を含むk)や大気汚染物質によって狭窄するのが慢性気管支炎でありその影響で肺細胞に腫瘍状病変が生じるのが慢性肺気腫です。

慢性気管支炎と慢性肺気腫は非常に合併率が高く、この両者を合わせて「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」と呼んでいます。

気管支喘息もCOPDも発現する症状の一つに高度な気管支の狭窄によって喘鳴音(ゼーゼー、ヒューヒューという音)を伴う呼吸困難があります。

ベネトリンは気管支を拡張することでこうした症状を緩和する目的で処方される外用薬です。

喘息やCOPDの発作を良好にコントロールできる薬ですが、特効薬ではなく対症療法として出される薬ですのでこの薬を使ったからといって喘息やCOPDが完治するということはありません。

あくまで発作をコントロールするための薬です。

主成分は「サルブタモール硝酸塩」です。

気管支拡張剤にはベネトリン以外にも幾つかの種類がありますが、サルブタモール硝酸塩は短時間で作用し、心臓など循環器系へのダメージも少ないので発作時の対処薬として広く用いられています。

ただし、作用時間は短いので発作が頻発する場合には医療機関を受診して適切な治療を受ける必要性があります

副作用や取り扱い上の注意点について

ベネトリンは副作用に注意しながら使用する必要がある薬です。

使用するときは吸入後にうがいをして余計な成分を口腔内に残さないようにします。

(副作用として)

  • 手の震え
  • 動悸

*この二つは吸入量が多いと出やすい症状です。

  • 便秘
  • 頭痛
  • 吐き気

などがあります。

(重大な副作用として)滅多にない副作用ですが、発症すると重症化しやすいものとして

  • 低カリウム血症
  • 倦怠感
  • 筋力低下
  • 不整脈

があり、これらの症状が現れた時は直ちに医療機関を受診するようにしてください。

(禁忌)以下のような状態の場合ベネトリンの投与はできません。

  • ベネトリンに対してアレルギー反応を示す人
  • 他の喘息治療薬との併用(過度に使用すると重い不整脈や心停止を起こすリスクがあります)

この他の注意事項として上記以外の異変を感じた時は使用を中止し、処方医に相談するようにしてください。

また吸入回数は厳格に守り、症状が改善しない時は速やかに医療機関を受診することが重要です。

なぜ個人輸入だと未承認薬が入手できるのか?

ここではなぜ個人輸入だと未承認薬が入手できるのか?について説明していきたいと思います。

薬事法が薬機法(正式名:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)へと改正されたことでネットでの医薬品購入が容易になった一方で、未承認の治療薬が個人輸入代行を通じて入手出来るということも一般的に知られるようになりました。

しかし、ここで疑問に思われがちなのが、どうして個人輸入では医療用医薬品として認定されている成分薬が購入できるのに、一般的な薬の通販ではできないのだろう?ということです。

これには「国内生産かどうか」という点が非常に重要となってきます。

薬機法は日本で生まれた法律です。

したがって日本国内で作られているか、もしくは医薬品としての承認を得ている薬は当然薬機法によって規制されます。

しかし、外国製の薬の場合は同じ成分であったとしても製造が海外ですので、日本の法律の制限を受けないことになります。

ただし、企業が営利を目的として外国製の医薬品を国内で販売することはできません。

あくまで日本で活動する法人は日本の法律を遵守しなければならないからです。

ところが「個人利用」の場合は営利目的ではありませんので輸入量の上限規制はかけられていますが、あくまでも自己責任でその薬を輸入した人本人が使用するという目的であれば輸入可能になるのです。

ここでは「営利目的ではない」という点が非常に重要視されます。

したがって個人輸入した薬を転売するなどして利益を得た場合は罰せられますので注意してください。

COPDと気管支喘息の違い

ベネトリンの適用は気管支喘息とCOPDになります。

発現する症状はとてもよく似ているこ病気ですが、臨床的にはまったく違う病気に分類されます。

ではこの両者はどのように違うのでしょうか?最も分かりやすい違いは「原因」にあります。

気管支喘息はアレルギー性疾患ですが、COPDの最大の原因は「喫煙」です。

この喫煙には受動喫煙(喫煙者のそばで生活していることで副流煙を日常的に吸っている状態)も含まれています。

また、一見区別がつかないほどよく似ている症状も細かく分析してみると

  • 気管支喘息:夜間、早朝に呼吸困難(喘息発作)が起こりやすい。

日によって症状の強さが異なってくる

  • COPD:慢性的な咳、労作時の呼吸困難があり、緩やかに進行していく

という違いがあります。

気管支喘息とCOPDの症状がよく似ている理由としてはCOPDには慢性的な気管支の病気「慢性気管支炎」が含まれているからです。

慢性気管支炎と気管支喘息との違いはアレルギー性疾患であるかどうかの違いであり、アレルゲンが特定された段階で慢性気管支炎から気管支喘息へと病名が変更されることになります。

大人喘息について

喘息は子供の病気という誤解がありますが、大人でもかかる場合があり、年々その数は増加傾向にあると言われています。

喘息という病気はアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)によって気管支に慢性的な炎症を起こすことで発症します。

特徴的な症状としては

  • 喘鳴音(息をするとビュービューとかヒュービューという風切り音のような音あるいはゼーゼーという苦しそうな音がします)
  • 呼吸困難:特に明け方や夜中に発生しやすい喘息発作の症状です。

仰向けやうつ伏せで寝ると胸部に圧がかかるので、喘息発作が起こりやすくなります。

横向けに寝るか半身を起こした状態で安静にしているとある程度は楽になりますが、発作が起こった時点でベネトリンのような気管支拡張剤を使用して気管支を広げ、呼吸を楽にしないと呼吸不全を起こし命に関わる場合があります。

  • 咳喘息:大人喘息には比較的多いパターンで、発作になると乾いた咳が断続的に起こります。

(小児喘息との違い)

小児喘息はまだ免疫系が未熟であることからアレルゲンに対し過敏反応を起こして発症する病気です。

したがって体の発育とともに免疫系が完成すると小児喘息も自然と消失していくケースが多いのですが、大人喘息の場合はすでに免疫系が完成するか機能が弱体化する中で発症する病気なので一度発症すると難治性の病気になります。

(喘息になると気管支内部はどうなっているのか?)

アレルギーというのは免疫の過剰反応によって引き起こされる病気です。

気管支喘息の場合、気管支の内壁が炎症のため荒れて肥厚し、一部は組織が剥がれ落ちて神経がむき出しになっている箇所が散見されます。

このむき出しとなった神経にアレルゲンが触れるとさらに防御反応を過剰に起こしてしまい気管支内壁はさらに肥厚し、どんどん狭くなっていきます。

このため気管支内部の気圧が上昇し風切り音のような喘鳴が聞こえるようになります。

物理的に空気の通り道が細くなっているので、呼吸が極端に細くなり息苦しさを覚えます。

また炎症像付近では血流も低下していて高血圧を起こしやすくなります。

このため脳への酸素と血液の供給量が減ることでさらに免疫系は不安定となり重症化していくという悪循環を招きます。

大人喘息はできるだけ早期のうちに適切な治療を受けることが症状を悪化させないための重要事項になります。

入手方法

ベネトリンは保健医療の承認薬です。

また、医療用医薬品なので気管支喘息やCOPDの確定診断と処方箋が必要です。

しかし、これらの条件を満たせば保健証を使って3割の自己負担で購入する事ができます。

一応、個人輸入代行を利用して入手する方法もありますが、気管支の状態を把握するために検査は必須ですし、副作用への注意も必要な薬なので極力診察を受けた上で医師の指導の元、保険診療のルール通りに入手する事が望ましいと思われます。